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夜明け前の空想

Posted by SJ on 11.2013 イギリス   0 comments   0 trackback
修士論文提出まで、残りわずか3週間。

論文の提出後は、10日空いて、2日連続で3時間の論述試験。

英国での9ヶ月の修士課程も佳境、もはや精神力との戦いです。
できると信じていなければ、焦って簡単に心が折れそうになる日々。

昨日、お昼前に担当教授とのミーティングを終えて、
午後から図書館で8時間過ごし、
帰って来て眠たいはずなのに眠れず、もはや早朝。なにをやっているんだか。

このような、(勉強で)頭を使いすぎて眠れない夜が、結構あります。
睡眠時間的にも、生活リズム的にも、眠れるはずだし、眠りたいのに、眠れないというもどかしい状態。

これを勝手に「知恵熱」と呼んでいるのですが(熱はないのですが)、
この状態になってしまうと、眠れない一方で、勉強に戻る程の集中力は無くて、
睡眠が短くなって生活リズムが乱れる、いいとこなしの厄介ものです。

こういう時はだいたい、電気も消したまま、相棒のアイフォンでネットを徘徊します。
徘徊と言うか、いつも見るものは決まっていて、
まあ、要は、VIPPER速報を見ています。

VIPPER的に言うと完全なROM専だし、VIP板本体は見なくてまとめしか見ないので、
本当に純粋な暇つぶしですが、
たまに面白くて噴き出したり、納得のいかない意見に勝手に憤ったり、
なんとも人間臭い営み(のつもり)です。
とは言ってもちょっとしたまめ知識も増えるし、
人の意見を見ているのはそれだけで面白いし、いい刺激になります。


そして、今夜も例のごとくVIPPER速報を見ていたわけですが、
たまたま、一部で有名らしい、げんふうけいさんという方の短編小説が目に留まりました。

VIPPERには、自分の体験談をちょっと脚色したり、体験談と装って物語を書く方がけっこういて、
そういった作品にはいつも楽しませて頂いているのですが、
この方の作品は、そういったネット小説(?)の中でも抜群のセンスを感じました。
先ほど初めて知ったので、最近の2作しか読んでいないのですが、とても心に残りました。

というのも、まず、設定が完璧なファンタジーなんです。
かといって、現実から離れすぎることもなく、
リアリティと空想の中間を漂うような、心地よい、自然な読み口で物語は進みます。
登場人物はもちろん人間で、それもとても人間的な人間で、
語り部となる主人公の、こちらに語り聞かせるような文体に、自然と物語に引き込まれます。

と、フィクションをあまり読まない人間があれこれ言うのもナンセンスなので、
これ以上何も言いませんが、端的に言うと、
読みやすくてさわやかで、ハッピーエンドではないけれど希望が持てるエンディングの、
素敵な物語を書く方です。げんふうけいさんと呼ばれる方。
なんとまだ22歳の大学生だそうで、末恐ろしいものを感じます・・。
と同時に、日本の若者が活躍し輝いているのを見るのはとても良いものです。

ブログの趣旨と完全に離れていますが、いいものを見つけたら人に教えたいのが人情ですから。

そんな素敵な夜のお供のおかげで、今朝からまた論文に打ち込めそうです。

今私の頭の中の9割くらいを占めている修士論文ですが、
触れるべき点が多く、まとめきれるか少し不安はありますが、
持てる時間を有効に使って、今後の人生において恥じないものに仕上げたいと思います。

何を書いているか、少しだけ紹介します。

メインの調査対象はエチオピアの某プロジェクトで、
タイトル的には開発学のカテゴリに入りそうなのですが、
関連の政策についての議論が多く、結論も政治色の強いものになりそうです。

学部の時の専攻が政治学だったので、どうしても政治的なものに関心がいってしまうのもありますが、
エチオピアは政治的に非常におもしろい国です。

体制は民主主義ですが、実質は開発独裁を模範とする一党独裁で、
言論の自由など議論もされません。
現地調査で一番面白いと思ったのはテレビ。
チャンネルは2つしかないのですが、両方が国営放送で、
ダムの建設現場や橋の建設現場などをBGMに乗せて延々と流し、
政府の「開発」への貢献をアピールする装置です。
と、こんなことをエチオピア国内で現地語ないし英語で発信しようものなら、おそらく御用でしょう。

長い歴史と誇り高い人々、拡大する機会、続く高成長率。
治安も比較的安定していて、一見うまくいっているように見えますが、
政治的な制約は非常に強く、閉鎖的で危うい国です。
そこでの「開発」について、プロジェクトと政策との絡みを分析し、
政治的な議論ができれば、面白い論文になる、

との教授からの久々の前のめりなコメントを受けたものですから、
ええ、もちろん、

今日も一日図書館にこもります。

歴史的な建物に溢れたこの町で過ごす春はあまりに美しく、
何も考えずに芝生で花を愛でる、なんて優雅な週末を過ごせないのが口惜しいですが、

人生最初で最後の本格的な論文です。



さあ、夜が明けた。

今はこれに全てを注ぎます。
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プロフィール

SJ

Author:SJ
大阪生まれ、東京かぶれ、オーストラリア、ナイジェリア経由、2013年英国にてアフリカ研究修士号取得。
関心事項はアフリカ、開発、国際情勢、日本の政治・社会、メディア。
趣味は海外旅行と映画鑑賞、写真撮影。
世界で一番好きなものは猫(大小問わず)。

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